サウスバウンド 奥田英朗
奥田英朗のサウスバウンドを読んだ。
資本家の手先、なんて言葉はいまどき中国でも聞かないだろう。
元過激派の上原一郎のキャラがとにかく濃くて、強烈だ。
うらやましい生き方だ。
最初は地味だった姉の洋子も途中から本性を見せ始める。
主人公の二郎の苦悩の描き方が見事だった。
大人から見れば小さい、でも10数年ほど前は切実だった、
そんな悩みを思い出させてくれる。
身長185cm、濃い眉毛、
映画化するなら、上原一郎は阿部寛で決まりか?
気に入ったせりふ
「お父さんはソースにケチャップ混ぜる?」
「混ぜない。ケチャップとアメリカ帝国主義は俺の敵だ」
P204
さっさと大人になりたいものだ。自分でお金を稼いで、どこへでも行ける大人に。子供は行く場所も限られている。夜になれば、帰らなくてはならない。
P266
「お客さん、大半はリサイクルにもならない品ですよ。本当は引き取り賃をもらいたいくらいなんですから」
「かけ引きするな。おまえらの手口などわかってる。さっさと数字を出せ」
P273
「電力会社はレジスタンスの敵だ」
P340
「おとうさんが例の調子で、山下先生をやり込めてた。不登校児童が何万人もいるんだから、そのうちの二人に数えておけ、なんてことも言ってたかな」
P382
なしくずし、というのは人間関係の知恵だ。
P420
「男って最後は逃げるんだよ」
P440
「学校まで一時間以上かかるんだって? よく通うね。一日おきにしたら」
P442
「この島は交通違反ゼロ記録を更新中なんですから」
「うざいなあ。そういうの、早めに途切れさせた方がらくなんじゃないの、気持ち的に」
P443
「一人でも私腹を肥やそうとすると、政治経済が発生するの。誰もそんなこと思わなきゃ、政治家も資本かもいらないの。お金がなくても、コンスタントに貧乏だと、ちゃんと人はしあわせなんじゃないかなあ」
P471
「二郎は邪心があるからよ。わたしみたいに澄んだ心の持ち主じゃないと、魚は心を開かないの」
P472
「おまえはおとうさんを見習わなくていい。おまえの考えで生きていけばいい。おとうさんの中にはな、自分でもどうしようもない腹の虫がいるんだ。それに従わないと、自分が自分じゃなくなる。要するに馬鹿なんだ」
P485
「世間なんて小さいの。世間は歴史も作らないし、人も救わない。正義でもないし、基準でもない。世間なんて戦わない人を慰めるだけのものなのよ」
P517
ビジネス書なんてしょうもないものばかりだが、
なんで、昔はあんなものを有難がって読んでたんだろう?
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2006年04月30日
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